各種ポータブル電源などを作っているsuaoki社(アマゾンジャパン店)から100Whの小型版が2018年11月に発売になりました。幅広い充電電圧(DC)と多彩なUSB/DC/AC出力を持っています。
特徴: アマゾンの商品ページから抜粋
作成日時 2018-12-18 03:00 更新日時 2018-12-24 21:49
更新記録
更新日時 2019-06-10 15:52
【関連情報】
【G100の開封と機能説明】
G100の開封から各種機能などを説明していきます。
【開封】
リチウムイオン電池を輸送する際の警告が書かれた袋にG100の箱が入っています。
輸送に関してはFedexのサイトが分かりやすいですね。
G100は100Wh/1.27Kg(電池以外も含む重量)なので「非危険物扱い」でいろいろラベルを付ければ航空機でも送れるようです。
箱
本体G100と各種ケーブル類とマニュアルなどが入っています。
G100のカタログではTyp-Cケーブルの色は黒ですが、白色が入っていました。
付属品 6点
各種ケーブル類
マニュアルなど
カタログの内容。
色以外は同様です。
日本語取扱説明書
実際は6カ国語の説明書
外観:
フロントパネルに全ての入出力があります。
出力はAC/DCの同時出力が可能です。
出力(LEDライトも含む)は、それぞれの電源ボタン(AC電源ボタン/DC電源ボタン)を3秒長押しする事でオン/オフと切り替わります。
LEDランプを点灯してみました。
LEDランプの消費電力/点灯時間は不明です。
【G100の仕様をマニュアルと分解結果から解説】
マニュアルを多くの方が読まないか斜め読み程度だと思います(私も同じ場合が多いですが)。G100のマニュアルはページ数が8ページと少ないので一読することをお勧めします。
ここでは、私が読んだ結果、気になったことなどを抜き出してみました。
【充電に関して】
1.付属ACアダプターからの充電
ざっくりですが、G100の容量は100Wh、ACアダプター出力は30V*1.2= 36Wなので、100/36= 約3時間で満充電できます。充電時の効率は特に記載は無いのですが大体3時間です。
2.車から充電
車は12Vと24Vと二種類があります。乗用車は12Vで充電する事になります。12VはG100の充電電圧(12.6V〜)ギリギリとなることに注意して下さい。マニュアルでは、12V車では完全に充電することは出来ないと記載されています。マニュアルのページ「JP-44」の「C.車の充電器による充電」を参照。
3.ソーラーパネルからの充電
MPPT電圧として15V〜40V(接続時の開回路電圧)で充電出来ます。そして、最大で65Wで充電出ます。最大電力で充電可能なら2時間程度で満充電となりますね。ソーラーパネルから充電は96%以上の効率で充電可能と記載されいます。マニュアルのページ「JP-46」の「PV充電」を参照。PV: 太陽光発電( Photovoltaic Power Generation)。
例: suaoki社のソーラーチャージャー 60W 折りたたみパネルの 最大出力電力はDC 18V/3A(54W)です。
X.保護-マニュアルのページ「JP-42」の「寒い天気の使用」を参照。
0度以下では充電しない事! 、バッテリーを破損する恐れがあります。0度以下では充電を自動的に停止します。5度以上になると充電を開始します。
-20度以下では15秒以内に出力をオフにします。-15度以上になると自動復帰します。
【電池残量インジケータに関して】
5のLEDで1つのLEDあたり20%、20%*5個となっています。
電池残量LEDの表示一覧
・充電中-点滅: 充電中
・充電中-全て点灯: 完全充電
・放電中-1〜5個のグリーン点灯
・放電中-1個がレッド、他は消灯: 電池残留無し
注意: 放電深度(DOD)機能によりバッテリー容量がバッテリーの90%しか放電出来ません。従ってバッテリーLEDが残り1つになったら速やかに充電する必要が有ります。赤の点滅になるとバッテリー保護のために出力をオフにします。
【AC出力に関して】
補足: 「【AC110V出力波形】」を参照の事。
補足: パワーファクター(Power factor): 力率 1.0 で計算。
AC110Vの修正正弦波出力です。
機器によっては正常に動作しない物も有ります。
日本の家庭用はAC100Vの正弦波出力です。
過負荷時の動作: マニュアルのページ「JP-46」の「AC出力(修正正弦波)」を参照。
G100は最大100Wの連続出力が行えますが、一瞬なら100Wを超えて供給可能です。条件を超えた場合には出力を停止します。その時の条件は次です。
・10秒間: 110W〜150Wまで
・1秒間: 150Wを超える(上限は不明ですが150Wでしょう)
バッテリー容量だけでポータブル電源の性能は測れません。
バッテリー(リチウムイオン電池)に蓄えられた電気をACに効率よく変換できないと性能が良いとは言えません。
G100は?
・70%以上の負荷時: 92%の変換効率
・無負荷&電源オフ時: 5W以下
【リチウムイオン電池に関して】
カタログと製品仕様などからは「3.7V/2700mAh 18650」タイプの物を使っていると記載されています。
しかし、今回購入した物の内蔵は「3.6V/2600mAh 18650」タイプでした。容量少なくない?
実際に100Whの容量を確保しつつタイプを変更したのかは不明ですが気になったところです。
実装されている電池の最大容量を計算
3.6V * 2.6Ah * 12本 = 112Wh
ここで、90%を使った時の容量は
112 * 0.9 = 100Wh
となります。
変換効率とかは100%の計算ですが。。。
【AC110V出力波形】
注意:
AC100VではなくAC110V仕様です。
出力波形は修正正弦波(写真を参照)なので、機器によっては正常に動作しない場合があるので注意してください。
ここからはいままでの商品紹介のページとは異なる内容を含んだ解説になります。
注意-警告!
分解の記事はそれぞれの責任でご覧下さい。
記事をご覧になって行った行為によるいかなる責任も負いません。
AC100Vとかリチウムイオン電池を扱っています。
不注意によりAC100Vは感電/リチウムイオン電池は発熱/破裂の可能性が有ります。
へらが必要
4箇所
リアパネルは4箇所のネジ。
左右、4箇所が爪で固定。
サイドの1/3部分の爪を外します。
リア/サイドで合計8個のタッピングねじで固定。
バッテリー
内蔵のバッテリーは「3.6V 2.6Ah 18150」型式は「INR18650P」を使用。
組電池として独自の充放電回路を内蔵している感じ。
リチウムイオン電池の18650は公称電圧3.6Vと3.7Vの二種類が存在して、更に保護回路有り無しと種類が有るようです。
G100では3.6Vを実装していますが独自の充放電回路を使用していると推測しています。
ただ、公称電圧3.6/3.7ではなく4.2V〜3.0V程度の範囲で許容容量を出力出来ることが重要なので余り意味の無い表記かも知れません。
リチウムイオン電池 18650
3.6V/3.7V
充電終止電圧(満充電時の限界電圧) 4.2V
放電終止電圧(安全放電の限界電圧) 2.75V
が一般的な特性。
電池と制御基板周り
リワークも無く綺麗です。振動で取れたりずれたりしないような対策があります。
筐体内は1/3程度の容積がバッテリーで他は制御基板なのどの空間です。
大きさの割に容量が小さいのはこのせいですね。
AC出力周り
基板からフロントのACコンセントへ出力しれています。接地ラインは未接続です。
フロント基板周り
各種コネクタで接続しています。
AC出力の測定
AC出力(110V)修正正弦波の波形を測定しました。
矩形波ベースですね。精密機器とかは不向きと考えられます。一般的なPCとかならOKかな?
ポータブル電源 G100 を見てきました。
ACで100W〜200Wクラスの出力ガ確保できるタイプにはAC正弦波とかに対応している物もの有ります。ただし、大きく重たくなります。G100はAC出力が出来るポータブル電源としてはバッグに入るギリギリかと思っています。