TouchDesigner確認

TouchDesignerの動作確認を最小限の構成で行いました。

 

OSCのメッセージをビジュアル的にかっこよく表示したり、逆にOSCメッセーをを受信し加工し表示したりするツールとしてビジュアルプログラミングツール(macOSで動作)のTouchDesignerの動作確認です。TouchDesignerはWindows版では以前から有りましたが、macOS版が2017年に「TouchDesigner099」としてリリースされました。OSCのビジュアルプログラミングツールとしてTouchDesigner以外の同様なツール(PureData/Max 7)も候補にしていましたが一番ビジュアルプログラミングしているTouchDesignerを使用する事にしました。

また、TouchDesignerが使用するスクリプト言語としてPythonを使用しているのも選択した要因の1つです。

 

今回、動作確認を行った環境は図のようにiPhoneのTouchOSCとOSCで通信しました。

 

【インストール環境】

iPhone X :        iOS 11.2.6 (15D100)

Mac Pro (Late 2013) :    macOS Higth Sierra Ver 10.13.3 (17D102)

 

TouchOSC ver1.9.9

TouchOSC Editor ver1.8.4 -OSX

TouchDesigner099 -OSX  (2017.16620)

 

作成日時 2018-04-05 20:47 更新日時 2018-04-08 12:02


1.概要

 

TouchOSCとTouchDesigner099を使用して簡単な連携を行い動作を確認します。


2.TouchDesinerのテスト作成

TouchDesinerの起動

起動すると最初のテンプレートで書類が作成され表示されます。

 

最初に作成された内容を次のように修正し保存します。

noise1を残して他を全て削除

osc out を追加 > noise1の出力を接続

保存

noise1の設定


OSCのメッセージフォーマットに従ってnoise1の「Channel」>「Channel Names」を変更します。


今回は「1/rotary1」を設定します。

(TouchOSC レイアウトに合わせる)

oscout1の設定


接続先の情報を設定します。

 

Network Address:    192.168.1.138

(TouchOSCが動作するIPアドレス)

network Port:        8000

(TouchOSCの入力ポート番号)

環境に合わせてIP/入力ポート番号は変更します。

設定結果
設定後の画面です。
(この時点でiOSデバイス上のTouchOSCが動作してOSCのメッセージが受信出来るUIが有ると動作します。)

 

動き的にはノイズをOSCメッセージとして指定するIPのポート番号へメッセージ「1/rotary1」で送ります。

ダウンロード
ここまでのTouchDesignerの書類
Test-OSC-TD.toe.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 4.0 KB

3.TouchOSCのレイアウト作成

TouchOSC Editorを起動

レイアウトを編集して次の3つのUIを定義します。

 

 

/1/fader1

/1/led1

/1/rotary1

レイアウトを保存してiOSデバイスに転送します。


4.TouchOSCの設定を変更

OSC設定で TouchDesignerの動作するPCのアドレスとPortを指定します。

 

転送したLAYOUTを選択します。

ダウンロード
テスト用のTouchOSC レイアウト
Test-OSC-TD.touchosc.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 607 Bytes

5.TouchOSCへメッセージを送信

 

TouchOSCとTouchDegsignerが動作して設定が正しいなら以下のように連携が行われます。

 

TouchDegsignerの出力がTouchOSCのrotray1に反映されます。

ダウンロード
使用した「TouchDesiner書類」
(説明途中のダウンロードファイルと同じ)
Test-OSC-TD.toe.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 4.0 KB
ダウンロード
使用した「TouchOSC Editor書類」
(説明途中のダウンロードファイルと同じ)
Test-OSC-TD.touchosc.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 607 Bytes

6.TouchOSCへメッセージを送信

TouchDegsignerにボタンを追加してTouchOSCへ送信します。

 

TouchDegsignerを次のように編集します。

 

ボタン用のオペレータとして3つを追加。

button

rename

oscout

 

それぞれを接続して設定します。

buttonの設定


今回は特に設定は無いが、デフォルトはトグルボタンとして設定されています。
ボタンとして動作させるためにbuttonの右下の「星」印をクリックします。
これで設定モードではなくボタンとして動作するようになります。

renameの設定


OSCのメッセージフォーマットに従うようにbutton出力をrenameします。
補足: noiseの場合にはチャンネル名を変更出来ましたがbuttonは出来無いようなのでrenameを使用しました。

oscout2の設定


接続先の情報を設定します。

 

Network Address:    192.168.1.138 TouchOSCの動作するiOSデバイス

network Port:        8000     TouchOSCの入力ポート番号

 

環境に合わせて変更します。

設定結果

一通り設定が完了したらbutton関係のTouchDesignerの画面は次のようになります。
「Button」をクリックするとiOSデバイスのTouchOSCのled1がオン/オフされるようになります。

 

注意: Buttonの右下の「+」を確認の事。

ダウンロード
Buttonを追加した版
ここまでのTouchDesignerの書類
Test-OSC-TD-2.toe.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 4.8 KB

7.TouchOSCからメッセージを受信


TouchOSCからTouchDegsignerへ値(fade1)を送ります
いままでは、TouchDegsignerの値をOSCメッセージとして送って表示していたが次は逆のパターンです。

 

CHOPオペレータとして3つを追加します。

 

oscin        OSCのメッセージ受信

select        受信メッセージの選択用

trail            値の表示用

 

3つの接続して設定します。

oscin設定

OSC in のポート番号を設定します。


TouchDesignerのOSC Inへは指定されたポート番号のOSCメッセージが全て入るようになります。

全てのメッセージが一度OSD inに入るので特定のメッセージを分離して処理する必要が生じます。

select設定

Channel Namesから選択したいOSCメッセージを選択します。

 

受信メッセージが未だ無いときには、メッセージの一覧は表示されなので直接入力します。

trail設定

今回はトレース設定はデフォルトのままです。

ダウンロード
入力を追加版
ここまでのTouchDesigner書類
Test-OSC-TD-3.toe.zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 4.9 KB

8.受信動画

 

faderを入力したときの動作例です。


以上、TouchDesignerの動作確認を行ってきました。

 

TouchDesignerはOSCメッセージを簡単に送受信と操作/表示できます。

電子工作のデータを表示したり制御するにはオーバースペック?と感じますが、単に文字列を出したり、光ったりするよりは多彩な表現をもたらします。